ezuとは、単なるアパレルブランドの名称ではありません。私たちは自らを「思想の置き場所」と定義しています。
私たちが提供する服、絵画、珈琲、革やフェルトの小物、場、そして対話のすべては、一つの共通した目的を持っています。それは、人が自分自身のアイデンティティを肯定し、内なる可能性に気づき、新しい世界へと一歩踏み出すための「きっかけ」となることです。
機能的な価値に、作り手と積み重ねてきた「時間」と、使い手の中で育まれる「記憶」を掛け合わせ、消費されるだけではない表現物としてのプロダクトを追求しています。ezuは、形を変えながら問い続ける、動的な探求体です。
企業理念|Mission
問い続けることで、世界を広げる。
ezuは、答えを固定することを、良しとしません。常に「なぜ?」という問いを立て、歩み続けること(哲学的な探求)を本質としています。
私たちが広げたい「世界」とは、単なる物理的な領域や市場の拡大ではありません。それは、関わる人々の内側にある価値観や感性、未来への視野、可能性、他者との関係性の広がりを指します。一人ひとりが、自分の可能性を狭めることなく、自分らしい世界を歩き出す。そのための強力な一助となることが、私たちの存在意義です。
その歩みのひとつとして、海の向こうでのプロジェクトを海をこえる絵図 ezuの世界のプロジェクトのページにまとめています。
経営哲学|Philosophy
答えを固定せず、可能性を更新し続ける。
ezuにとっての経営とは、完成された正解を提供することではなく、“問い続ける姿勢そのもの”です。作品はその思想を物質化した器であり、以下の4つの層で構成されています。
- 根本思想:アイデンティティの肯定。人はそれぞれ違う。その違いのまま生きられる状態を美と定義する。
- 探求姿勢:継続的な歩み。既知の領域に安住せず、常に問いを立てて歩き続ける。
- 事業観:思想の物質化。服・場・対話は、機能だけでなく、時間・情緒・関係性を内包する表現物である。
- 関係性:共創のサイクル。作り手、届け手、使い手が共鳴し、記憶を積み重ねることでezuが成立する。
ブランドステートメント
人間が一人ひとり異なるように、ezuのプロダクトもまた、一つひとつが異なる個性を宿しています。赤の中に無限のグラデーションがあるように、青が十着あれば十通りの表情がある。その「違い」が並んでいる状態こそが、最も美しく、豊かな世界であると私たちは信じています。
ezuの商品は、機能性という器の中に、時間、情緒、関係性という目に見えない要素を内包したものです。それは人を変えるためのものではなく、その人の中にすでに在るものを思い出すための装置です。ezuに触れることで、自分はこれでいいのだと自らを肯定し、新しい自分を始める勇気を得る。私たちは、その瞬間のためにものづくりを続けています。
この思想は、素材の選び方にもそのまま現れています。ezuの作品の中心にあるのは、リネン、コットン、ヘンプ、シルクという四つの天然繊維。そこに、モンゴルの草原が育てるウール、カシミヤ、ヤク、キャメルの毛と、革が加わりました。優劣を比べるのではなく、性質の違いが生かされる持ち場に置くこと。服を留めるボタンには、一粒ずつ光り方の違う天然の貝を選び、手と目で確かめて使うこと。くわしくは、4つの天然繊維のはなしと、草原の4つの毛のはなし、そして貝ボタンの記事に書きました。そして、服に縫いつけた織りネームには、ブランド名のもとになった、地図をひらく絵を、いちばん細い金の糸で織り込んでいます。服のなかの、小さな絵図の記事に書きました。
行動指針
1. 関わるすべての人をがっかりさせない
私たちの活動は、作り手、届け手、使い手の三者が信頼で結ばれることで初めて成立します。プロダクトの尊厳を損なう安易な妥協を排し、これまで積み重ねてきた時間と信頼の質を誠実に守り抜き、高めていくこと。それは、ezuの作品に宿る情緒と、関わる方々への敬意を守るための決意です。
2. 思考停止した施策を排除する
一例として、効率が良いから工程を省くといったような、思想との接続がない場当たり的な判断はしません。たとえば効率が悪く見えたとしても、それが誰の、どのような世界を広げるのかという問いに対し、誠実な答えを持っているかどうか。効率や都合だけで判断するのではなく、その選択がこれまでの時間と、これからの関係性にどう響くのかを大切にします。
3. 授かった縁を自ら断ち切らない
ezuと出会い、共鳴してくださる方々との関係は、天文学的な確率の中で生まれた奇跡的な縁であると考えています。私たちは、その縁を雑に扱うことを最大の過ちと定義します。一人ひとりと向き合う時間、言葉の一つひとつ、制作の細部に至るまで、その縁を育み続けるための努力を惜しみません。
4. 服を売るのではなく、その人の世界が広がる体験を届ける
ezuの作品は、服であって、服だけではありません。服から始まったものづくりは、いま、絵画や珈琲、革のバッグや財布、フェルトの帽子や靴へと広がっています。かたちは違っても、届けたいものは同じです。その人が自分を知るための地図であり、世界が一歩広がる体験そのもの。一人ひとりの個性をかたちにすることで、まだ知らない自分に出会うきっかけを創出します。
意味と論理|二人の役割
意味が世界を広げ、論理が世界に橋を架ける。
ezuの経営は、二つの異なる働きの往復によって成り立っています。一つは、まだ言葉になっていないものを見つけ、つなげる働き。もう一つは、つながったものを整え、社会の中で生き続けられる形にする働き。私たちはこれを「意味」と「論理」と呼んでいます。
アーティスト(生み出す人)|岩野 久美子
岩野は、アーティストとして「意味」を担います。
意味とは、一見関わりのないものの奥に、同じものを見つける働きです。風景と記憶、素材と感情、誰かの一日と一着の服。まだ誰の目にも見えていないつながりを見つけ、それを服に、絵に、珈琲に翻訳していく。ezuの作品に宿る物語は、設計されたものではなく、こうして発見されたものです。
意味は、世界を広げます。けれど、意味だけでは形になりません。
ギャラリスト(接続する人)|平岡 謙一
平岡は、ギャラリストとして「論理」を担います。
論理とは、広がった世界を選び、整え、現実の中で続いていく形にする働きです。岩野が見出した意味を歪めないまま、価格や流通、組織や戦略という社会の言語に置き換え、それを必要としている人のもとへ接続する。作品と社会のあいだに、静かに橋を架ける役割です。
論理は、世界を形にします。けれど、論理だけでは世界は広がりません。
二つで一つの探求
意味と論理は、対立するものでも、分業でもありません。同じ好奇心が、一人の中では創作として、もう一人の中では構造として現れているだけです。
意味が広げ、論理が整える。論理が整えた場所から、また新しい意味が生まれる。この往復をやめないことが、ezuにとっての「問い続ける」ということです。
経営陣の価値観
ezuは、異なるバックグラウンドと価値観を持つ二人の創業メンバーによる、対話と共鳴から生まれました。
岩野 久美子(Founder / Creative Director)
私のものづくりの根底には、常に人への愛があります。服を着る人が気持ちよく一日を過ごし、鏡を見た瞬間に少しだけ気分が上がる。そのような、ささやかだけれど確かな変化を誰かの日常にもたらしたいという願いが、私の原動力です。
私自身、かつては社会が求める普通という枠に馴染めず、違和感を抱えて生きてきた経験があります。だからこそ、一人ひとりの個性や自分らしさが、そのままの形で肯定される世界の美しさを誰よりも信じています。制作や接客を通じて、言葉にならない想いや見えない精神世界を、目に見える形に創造していく。ezuの服が一着ずつ異なり、多様な色彩を纏っているのは、人間という存在の尊さと、その可能性を信じている証です。人との出会いを大切にし、その人の世界が広がる瞬間を共に喜び合えることが、私にとっての幸福です。
岩野のものづくりの原点は、つくり手インタビュー「絵を描くことも、服をつくることも、生きていること」でご紹介しています。
平岡 謙一(Founder / Chief Executive Officer)
私の根源的な欲求は世界を知りたいという好奇心にあります。それは、自己の成長を通じて視野を広げ、まだ見ぬ新しいステージの構造を解き明かしていくプロセスそのものです。
私にとってezuは、従来の資本主義的な効率性やマスマーケティングの枠組みを超えた、新しい合理性を探求する場でもあります。時間の濃縮や不便益といった、デジタル化や自動化では決して代替できない情緒的価値を、いかにして持続可能な事業として成立させるか。思想を構造化し、人々がより広い選択肢を持てる社会を構築することに、私の情熱はあります。思考を止めず、一過性で再現性のない施策に頼ることなく、ezuという器を通じて未知の世界を探求し、価値を創造し続けます。
二人の合一地点
私たちは、入口は違えど、見据えている場所は同じです。
「まだ見えていない世界を見たい」
「可能性を問い続けたい」
この共通の好奇心を、自分たちだけの充足に留めるのではなく、ezuに関わるすべての人々の世界を広げるエネルギーへと変換していく。それが、私たち経営陣がezuに込めている、世界との揺るぎない約束です。