日本のウユニ塩湖とも称される、父母ヶ浜(ちちぶがはま)。
その美しい海沿いに佇む「cafe de flots」は、店主の浪越さんが20年もの間、大切に運営されてきたお店です。
扉を開けて感じた、店内に漂う雰囲気。
それは、大きな窓の向こうに広がる穏やかで美しい「凪の海」そのものでした。
ニュートラルな空気感が、訪れた人々をスッと包み込む。
そんな包容力のある場所だというのが、私の第一印象でした。

20年という歳月の中で繰り返されてきた、人と人との交流。
そこから生まれたエネルギーが穏やかに、静かに蓄積され、
まるで自然の中に身を置いているような感覚になりました。
今回のユニフォームは、この場に立ち、直感的に感じたままを形にしています。
染め重ねた色布を幾重にも重ね、糸で縫い合わせる。
「スラッシュキルト」の技法を用いて漣(さざなみ)を表現し、シャツの襟元に施しました。
連ねて並べた貝のボタンは、水面の煌めきを表しています。
波間を表現するための伝統技法「かご染め」は、布を糸で締め、あえて不確実な模様をつくり出し、藍の色を何度も、何度も染み込ませました。
色彩についても、自然の風景の中に「同じもの」がひとつとして存在しないのと同じように。
ヘッドウェア、シャツ、サロン……。
すべてをバラバラに染め重ねることで、色を完成させています。

生成AIによって、あらゆるものが瞬時に、簡単に作り出せるようになってきた現代。
いま、人間が人間として求めているものは、
目には見えない、触ることのできない、人と人との摩擦によって起こるエネルギーや、
長い歳月を経て創り上げられてきた場だけが放つエネルギー。
そんなものたちなのではないか……。
今回の制作は、その大切さを改めて肌で感じる機会となりました。

ezuでは、引き続き企業さま向けのユニフォーム制作を承っております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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