in the rain

2022年の6月、わたしは飛行機で すこし遠くの小さな島に行きました。

裸足で海に膝まで入っても足の指がはっきりと見えるくらいに水が澄んでいる
そんな うつくしい海に囲まれた小さな島です。

目をギョロっとさせた真っ黒な野生の猿が、長い手足をつかって、椰子の木を行ったり来たりしていました。

その日の夕陽は みごとでした。

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視界に入るものすべてをピンク色に染めながら水平線へと沈んでいきました。

翌日は雨でした。

ゴーゴーと音を立てながら大地に滝のように落ちてくる 大雨です。

ヴィラの大きな窓を打ち付ける雨水が絶え間なく濡らし、まるで水中にいるみたいで、わたしはしばらくそれをみていました。

濡れた窓越しに、花が揺れていました。

濃いピンク色をした小さな花。

それがデジタル映像のようで 不思議な気持ちになりました。

自然界の植物なのに デジタルの光や信号が送られてきているかのように映るその景色は妙に現実感がなく、頭の中がムズムズしました。

そんなことがおもしろくて、飽きずに1時間くらい大きな窓をみていました。

そして 雨はやみました。

サッと、パタっと。まるで電源を切ったみたいに。

この絵は離島から戻ってその日にマレーシアのアトリエで描きました。

記憶を辿りながら 色を重ねながら、あれは…なんという花だったのか…ヴィラの管理人に花の名前を聞けばよかったかな…とか一瞬 思ったけれど、きっとこの絵には必要なかった。

そもそもわたしのみたものは、それは 花だったのかさえ、わからない。

ただ、、、、、きれいだった

ただ、それだけで描いた絵です。

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