ezuの服は、三つの天然繊維でできています。畑で育つ亜麻から生まれるリネン。綿花のわたから生まれるコットン。そして、蚕の繭から生まれるシルク。ふたつは畑から、ひとつは小さな生き物から。生まれる場所は違っても、自然のなかで生まれ、いつか土に還る繊維であることは変わりません。
このページでは、三つの繊維の性質をひとつの表にまとめました。あわせて、それぞれの素材について書いた三つの記事への入口も、ここに置いておきます。
三つの繊維の生まれ
リネンは、亜麻という植物の茎から取り出される繊維です。人と布の歴史のなかでも最も古い素材のひとつで、天然繊維のなかでも特に長く、強い。洗うほどに傷むのではなく、洗うほどにやわらかくなっていきます。くわしくは、リネンの記事に書きました。
コットンは、綿花の実がはじけて現れる、白いわたから生まれます。先の丸い繊維が肌をやさしく受けとめ、中心の空洞が空気を抱えて、夏は涼しく、冬はあたたかい。くわしくは、コットンの記事に書きました。
シルクは、蚕が自分の体を包むためにつくる繭から、そっと引き出される糸です。人の肌に近いタンパク質でできていて、肌にのせたときのなじみは、三つのなかでいちばんかもしれません。くわしくは、シルクの記事に書きました。
一枚の表にすると
どれが優れているかを決めるための表ではありません。それぞれの繊維に、それぞれの得意な持ち場があることを知っていただくための表です。
「弱さ」と呼ばれるものについて
素材の比較記事では、しわや、縮みや、繊細さは、たいてい「デメリット」の欄にまとめられています。私たちは、それらを欠点ではなく、その繊維の性質だと考えています。
リネンのしわとネップは、化学的な処理をすれば取り除くこともできます。けれどその分、繊維は傷み、自然の風合いが失われてしまう。コットンの縮みは、薬品で抑え込むのではなく、お湯の熱で先にじゅうぶんに縮ませておくことで、届いたあとの服が縮まないように設計しています。シルクの繊細さは、これが小さな生き物の生み出した繊維であることの、そのままの証です。
性質は、直すものではなく、寄り添うもの。完璧な素材は、ありません。人と同じです。ezuは、一人ひとりが違うまま生きられる状態を、いちばん美しいと考えてきました。素材も同じで、それぞれの性質が違うまま生かされているとき、布はいちばん豊かな表情を見せてくれます。
素材は、競わない
それでは、三つのうち、どれがいちばん良い素材なのでしょうか。ezuは、この問いに答えを持っていません。持ち場が違うだけだからです。
冷えとりの靴下では、特別な潤いを持つシルクが足にいちばん近い内側に、湿気を外へ逃がすコットンがその外側にいます。カラーフィールドセーターでは、リネンの強さと、コットンのやわらかさと、シルクの潤いが、一本の糸のなかで支え合っています。比べてどちらかを選ぶのではなく、それぞれの持ち味が生きる場所に置く。素材との付き合い方は、人との付き合い方と、あまり変わらないのかもしれません。
日々のお洗濯やお手入れのことは、お洗濯とお手入れについてのページにまとめています。
三つの繊維とともに仕立てたezuの作品を、日々の暮らしのなかで長く深く楽しんでいただけることを願って、これからも制作を続けていきます。