ezuの作品を手に取ってくださり、ありがとうございます。
長く使っていただけるよう、ご使用前のお願いごとをまとめました。
ezuの作品は、色の濃淡や揺らぎが生まれる伝統的な染色技法をあえて選び、自然素材を職人の手で、ひとつひとつ染めています。同じ作品でも一枚ごとに染め上がりが異なるのは、この染め方だからこそ。世界でひとつだけの色合いを、手仕事ならではの風合いとして、お楽しみいただけますと幸いです。桐生の染め場でどのように色が生まれるかは、染め仕事の記事に書きました。
お洗濯・お手入れの方法
- 天然繊維は、摩擦に弱い性質があります。必ず裏返して洗濯ネットに入れ、「おしゃれ着洗い」などの弱いモードでお洗濯ください。
- 洗濯後は裏返しのまま、できるだけ早めに日陰に干してください。強い直射日光は、色あせや変色につながることがございます。
- 最初のうちは、色落ち・色移りにご注意ください。色味の違う衣類と一緒に洗うと、色移りする場合があります。特に淡い色の衣類とは、分けて洗っていただけますと安心です。
- 酸素系・塩素系の漂白剤や、蛍光増白剤入りの洗剤は、色落ちの原因になる場合があります。ご使用の際は、目立たない部分で試されることをおすすめしております。
- 摩擦、こすり洗いにご注意ください。乾燥機のご利用などで強くこすれると、色移りが起こることがございます。
- お手入れの際は、各作品の洗濯表示に沿ってください。目安は次のとおりです。
- 洗い方
- 手洗い、または「おしゃれ着モード」(液温30℃以下)
- 乾燥
- タンブル乾燥はお避けください
- アイロン
- 低温(120℃まで)でかけてください
- ドライクリーニング
- お避けください
保管のお願い
- 洗濯後は、十分に乾くまで直射日光を避けて、陰干ししてください。
- ご使用後は、風通しの良い場所に保管いただくことで、品質を長く保つことができます。
動物繊維(獣毛・フェルト)の作品について
ezuには、モンゴルの獣毛やフェルトをつかった作品もあります。ウール、カシミヤ、ヤク、キャメル。動物の毛から生まれる素材は、植物繊維とは少し性質が異なるため、お願いごとを分けてまとめました。ezuの獣毛の作品は、ストールもセーターもカーディガンも、手洗いできる洗濯表示にしています。帽子は、洗わずにお使いいただく作品です。
- ふだん
- 着たら風を通す。ときどきブラシ。洗うのはシーズンの終わりに
- 洗うとき
- 30℃以下のぬるま湯と中性洗剤で押し洗い。脱水は短く、日陰で平干し
- しまうとき
- 洗ってから、たたんで。防虫剤は上に、種類は混ぜない
洗う回数は、少なくていい
獣毛は、汚れやにおいがつきにくい性質をもつ繊維です。だから、洗う回数は他の繊維よりずっと少なくてすみます。着たあとは、風通しのよい場所にひと晩かけておくだけで十分なことがほとんど。ときどきブラシを軽くかけると、毛並みが整い、毛玉も防げます。
デザイナーの岩野は、自分の獣毛の作品とは、こうつき合っています。
「シーズンの終わりや、長期保管の前に水洗いする。そもそも獣毛繊維の作品はそこまで汚れないので、ほとんど洗わなくても美しさを保てる。よほど汚してしまったら洗うこともある。水洗いしてネットに入れて、軽く脱水して平干しする」
縮む理由を、先に知っておく
獣毛の一本一本は、表面がうろこのような形をしています。水を含むとこのうろこが開き、そこに熱と摩擦が加わると、隣り合う毛のうろこ同士が絡み合って、布がフェルトのように縮んでいきます。アルカリ性の洗剤も、うろこを開く方向に働きます。獣毛のお洗濯で「ぬるま湯」「中性洗剤」「こすらない」と言われるのは、ぜんぶこの仕組みを避けるためです。
手洗いの手順
ストール、セーター、カーディガンともに共通です。フェルトの作品は、あとの節をご覧ください。
- 30℃以下のぬるま湯に、中性のおしゃれ着用洗剤(ウール用と書かれたもの)を、表示の量だけ溶かします。
- 作品を裏返してたたみ、10分ほど浸けます。
- たたんだまま、沈めて、浮かせて。これを20〜30回くり返します。揉んだり、こすったりはしないでください。
- すすぎは2回。1回目はぬるま湯、最後は冷たい水で。同じように沈めて、浮かせて、で泡を抜きます。温度調整が難しい場合は、2回とも30℃以下のぬるま湯、常温水であれば問題ありません。
- 洗濯ネットに入れて、洗濯機で15〜30秒だけ脱水します。長く回さないのがコツです。
- 形を整えて、日陰で平干しします。ハンガーに吊るすと、水の重みで伸びてしまいます。直射日光は、色あせや黄ばみのもとになります。
毛玉のこと
- 毛玉は、摩擦で表面の毛羽が絡み合ってできます。脇の下や袖口、バッグが当たるところにできやすいのはそのためです。ふだんからブラシで毛並みを整えておくと予防になり、できてしまった毛玉も自然に落ちやすくなります。無理に引っ張らないでください。
しまう前に、虫のこと
動物繊維は、虫が食べてしまうことがあります。衣類につく虫の幼虫は、暗くて暖かい場所を好み、気温が15℃を超える春から秋に活動します。被害がいちばん大きくなるのは、25〜30℃で湿度50〜70%のころ。冬物をしまう春から夏こそ、気をつけたい季節です。
- しまう前に、汚れを落としておいてください。皮脂や食べこぼしが残っていると、そこが虫やカビのはじまりになります。クリーニングから戻ったときのポリ袋も、外してからしまってください。袋のなかには、湿気がこもります。
- 防虫剤は、衣類の上に置いてください。成分は空気より重く、下へ降りていくので、上に置くと効き目がよく行きわたります。量は、製品の表示どおりに。多く入れても、効き目は増えません。
- 防虫剤の種類を、混ぜないでください。パラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳のうち違う種類を一緒に入れると、成分が反応して溶け、衣類にシミや変色を起こすことがあります。無臭のピレスロイド系だけは、他の防虫剤と一緒に使えます。種類を替えるときは、古いものを全部取り出してから。
- 湿気そのものを減らすには、除湿剤が助けになります。湿気は低いところにたまるので、除湿剤は収納の下のほうへ。防虫剤は上、除湿剤は下、と覚えていただけたら。湿度は50%ほどが目安です。
- セーターやカーディガンは、たたんでしまってください。長く吊るしておくと、自分の重みで伸びていきます。ストールも、たたんで。
- 衣装ケースやクローゼットには、少しゆとりをもたせてしまっていただけると安心です。衣類のあいだにすき間があると、そこを空気が通ってくれます。
- 窓辺の光や照明でも、少しずつ色あせは進みます。暗い場所に、できれば裏返して。
帽子と、フェルトの靴
- ウールのヘリンボーンの帽子は、型崩れの心配があるため、基本的には洗わずにお使いください。
- フェルトの帽子も、基本的には洗わずにお使いください。汚れが気になるときは、汚れた部分に濡らしたタオルを押し当てて、汚れを移し取ります。ドライヤーなどの熱を当てると縮むので、そのまま自然に乾かしてください。型崩れしても、置いておくと空気中の湿気で少しずつ形が戻ります。
- フェルトの靴は、汚れた部分だけを水にひたして、ブラシや食器用のスポンジでやさしく洗ってください。洗濯機で脱水して、乾かします。ワンシーズンに一度ほどで十分です。黒など濃い色は、色落ちにご注意ください。
革の作品について
モンゴルの工房でつくられる革の作品も、お手入れの基本はシンプルです。革は、使うほどに艶を増して、その人の革に育っていく素材です。
- 日々のお手入れは、やわらかい布での乾拭きで十分です。ほこりは、やさしく払い落としてください。
- 直射日光や強い照明、熱は、変色や劣化のもとになります。保管の場所は、光の当たり方に少しだけ気を配ってください。
- 湿気は、カビの原因になります。風通しのよい場所で保管し、ビニール袋には入れないでください。長く仕舞うときは、通気性のある布の袋がおすすめです。
- 濡れてしまったら、乾いた布でやさしく押さえて、直射日光を避けて、ゆっくり乾かしてください。
洗うたびに、なじんでいく
天然素材の服は、洗うたびに少しずつやわらかくなり、着る人の体になじんでいきます。お手元に届いたときが完成ではなく、洗って、乾かして、また袖を通す。その繰り返しのなかで、その服はあなたの服になっていきます。
お願いごとの多い服かもしれません。それでも、手をかけた分だけ応えてくれるのが、天然素材の良いところだと私たちは捉えています。
それぞれの素材の個性は、こちらの記事にまとめております。
日々の暮らしのなかで、ezuの作品を長く深く楽しんでいただけることを願っています。
編み物が伸びやすく、織物が型崩れしにくいのはなぜかということは、「編み」と「織り」の違いの記事に書いています。
記事執筆:ezu編集部
監修:岩野久美子(ezu designer)